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中国アニメファンたちが語る『天官賜福』の魅力とは? SNSのホットなレビューを翻訳紹介

2021年7月より日本でも放映されている『天官賜福』(原作:墨香銅臭)は、中国の人気ファンタジー小説が原作のアニメ作品です。天官賜福は放送後すぐにTwitterトレンドの1位となり、日本でも大きな話題となりました。この作品の内容については中国国内でも様々な意見やコメントがあります。人気小説のアニメ化を中国のファンたちはどう思ったのでしょうか? SNSや掲示板にあった感想をいくつかピックアップしてみました。(※ネタバレ内容を含みますので閲覧にご注意ください)

©bilibili 中国天官賜福アニメ公式より


1.あらすじ


仙楽国の太子・謝憐(シエ・リェン)は、幼い頃から人々を救いたいという慈悲の心を持っており、剣を学び修行を重ねる。彼は天賦の才を持ち、若い頃に天界に飛昇し、武神となった。しかし二度も天界から追放され、三回目の飛昇により、他の神官の神殿を壊してしまう。過ちを償うために、彼は人間界に降りて妖魔退治を行い、再修行することになる。そして謝憐は「三郎 (サンラン)」と名乗る不思議な赤い衣の少年と出会う。


謝憐は天界からの任務を次々と解決していき、やがて事件の中心にある事実に辿り着く……


2.レビュー


①墨香銅臭先生は自分の価値観と世界観を小説を通して伝えている

(20代/女性/学生)

天官賜福のストーリーは広い世界観を表現しており、民衆のあらゆる姿を描いています。天界にいる尊い神様が実は卑怯冷血な一面を持っていたり、恐ろしい鬼界は優しさを見せるシーンもあります。人間界でも、無関心や冷酷な人間関係を描きながら、一方で善良さや大義をしっかり守ろうとする人もいます。原作者の墨香銅臭先生は自分の価値観と世界観を、小説を通して読者に伝えようとしています。その温くて人を癒せるロマンチックな心が、沢山の読者に伝わってきます。


②ラブストーリーであると同時にミステリアスな物語

(30代/女性/社会人)

天官賜福はとても興味深い話です。ラブストーリーであると同時にミステリーでもあります。主人公たちは、次々と天界任務を遂行するうちに、天界、人間界、鬼界という三つの領域に深く入り込んで、何千年前から秘められた秘密にたどり着いていきます。


小説の見どころは沢山あります。ミステリアスな推理、秘められた過去の悲話、主人公たちの明晰な頭脳とそれを用いた分析、美しい恋話、キャラクターたちそれぞれの心情、どれも素晴らしく、ストーリーに夢中になりました。


天官賜福のキャラクターは、主役も脇役たちも個性豊かな持ち主です。はっきりとした「正義」と「悪」だけでは表せない複雑多様な人間性、キャラも明るい一面もあるが暗い一面も持っております。

そして誰もか複雑で哀れな過去に捕らわれているのです。まったく別々の話のように見える内容は、実は深く繋がっています。悪人でさえも、辛くてどうしようもない過去があります。憎むべきキャラをどうしても憎めなくなっています。


③キャラクターの表現が魅力的!

(20代/女性/社会人)

アニメの第一期は小説全体の七分の一までの話になっています。そして今後はもっと深い話が展開されるはずです。作者はすごく多様で複雑な世界観の中、主人公たちの人間性に対して深い描写ができていて、本当に感心しました。アニメの後の内容が気になって、小説を読んですごく感動しました。謝憐は何ともひどい目にあい、闇落ちしてもおかしくないのに、最後の最後まで信念に従い、困難を乗り越えました。それこそが人間の最も美しい部分です。様々なことを乗り越えて、謝憐は自分の運命に打ち勝ち、他のキャラたちが守れなかったものを守り抜きました。何より、自分の『大義』を守り抜きました!!


④二人の愛情の力に感激している

(20代/女性/学生)

この作品の表現で面白いのは、一番貧しい人が最も強い存在で、その一方、一番尊い存在である神が、汚れています。闇に落ちた者たちも堂々と生きている、むしろ尊敬されるべき存在こそ、その手が汚れています。


謝憐は本来一番輝かしい時期にボロボロである花城と出会いました。その後、謝憐は光、花城は光を追う蝶のような生き方をしていきます。その光が輝く時も、暗くて消えそうな時も、花城にとっての謝憐は唯一無二の存在であり、生涯見守ると誓った存在なのです。こんな素敵な関係はうらやましいし、このような素敵な愛情を見せてくれた謝憐と花城に感謝しています。


3.主人公についての感想

©bilibili 中国天官賜福アニメ公式より


①謝憐について

(30代/女性/社会人)

飛昇して武神になる前、謝憐は身分が高くて国民に尊敬される太子殿下でした。彼は高貴で美しい、天賦や才能の持ち主です。権力、金銭、地位、すべて手に入れられ、できないことはない、すべての人に愛されています。「彼は人間界のまごころであり、世界の中心」と言って過言ではありません。


十七歳の時、謝憐は、強い鬼を倒して帝君に褒められ、若い頃に飛昇しました。しかし、仙楽国は国難に遭い、謝憐は独断で救出に向かったせいで、国は滅びてしまいます。彼は下界に追放されました。

謝憐が頂点から落ちた後、常人が想像できない苦しさと辛さに遭います。彼の信念は崩壊寸前で、深淵に闇落ちする直前でしたが、ちいさな優しさのおかげで自分を取り戻すことができました。


かつて人々の頂点に立ちながらも、人生最低の泥沼に這いつくばった時期もあります。長い時間を乗り越え、謝憐は自分の運命を知ることとなりました。最低身分の貧乏人と成り下がり「三界の笑いもの」とも呼ばれますが、それでも笑って生きていきます。人間界にいる長い間、彼は大道芸人になり、ガラクタを集めたりして、800年もの間、その貧しい生活に楽しみます。ガラクタを集めながらも、彼は「ガラクタの神」となり、ついには三回目の飛昇を成し遂げました。


様々なことを経験した謝憐には、格別な高貴さが見られます。嵐のような洗礼を経た後の冷静さ、大きな悲しみや喜びを超えた超然さを彼は兼ね備えています。太子殿下や武神の自負、一回目に追放された後の怒りや憎しみは、彼にはありませんでした。その代わりに、一人でもいい、できるだけ多くの人々を助ける同情心と慈悲のこころが彼の象徴になりました。


②花城について

(20代/女性/学生)

血の雨の中に道端にある小さな花を傘で遮ったという由来から「血雨探花」と呼ばれております。花城は世界中の残忍さを知りながらも心の奥底に慈悲の心を持っています。彼は一番つらい時に謝憐と出会い、謝憐一人を愛するため、天下の人々すべてを愛せることになりました。どんなに苦しくても、信仰のために己と戦い、生き残ってきました。彼は自分の方法で信仰を貫き、世界を変えようとしました。


鬼の王でありながら、花城は世間の目を気にせず、世間に認められずとも良いと思い、自らの「大義」を果たしています。また鬼市の王として、彼は惨めな弱い鬼を引き取って世話します。鬼たちは王に対して尊敬し、心から感謝をします。


花城はいつも淡々とした姿勢で、すべてが「たやすいこと」のように振る舞っています。しかし実際謝憐のために全てを捧げているのに、それを知られないように振る舞います。花城は謝憐に救われたと共に、謝憐もまた花城がいたから何度も困難を乗り越えられました。二人はお互いがいるからより強い存在になっているし、お互いに出会っていたから、より立派な人になれました。

 

『天官賜福』のTVアニメ第二期は2022年中国で放送される予定です。

アニメ第二期予告ポスター ©bilibili 中国天官賜福アニメ公式より


小説は現在中国語・韓国語・タイ語・ベトナム語が販売されています。日本版もこれから発売される予定です。発売日は未定ですが、早く見たいですね〜。続報を楽しみにしています!

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