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【ラペオニアインタビュー① (前篇)】理想はアジアの伝統宝石文化と国際色デザインコンセプトの融合!!デザイナージュエリーブランド「Luush」の代表、Bella鄭氏にインタビューをしました!

執筆者の写真: ラペオニア編集部ラペオニア編集部

ラペオニアインタビューとは?


「ラペオニアインタビュー」とは、LA PEONIER運営会社株式会社ジニヤズの新企画で「女性向け商品及び表現の最前線に活躍している方たちのお話を伺う」というコンセプトの記事です。新鋭女性ブランド側の支配人や開発陣、クリエイターらに直接取材し、商品企画誕生の秘話や、出来上がった商品に込められた思いを文章でお伝えしていきます。そして読者の皆様におかれましても、クリエイターたちの想いが伝わり、さまざまな表現創作への関心を持って頂けるきっかけとなることを期待しております。


さて、ラペオニアインタビューの第1回は、中国新鋭デザイナージュエリーブランド「Luush」の代表&ジュエリーデザイナーBella鄭氏にインタビューさせて頂きました。若い歳からイギリスに留学した彼女の夢は、アジアの宝石文化を国際的なデザインで表現し、世界中に発信していくことです。では早速お話をお伺いましょう!


■プロフィール

名前:鄭亦雯

ニックネーム:Bella(ベラ)

Instagram:@itsbella_zyw

出身地:中国

大学:University of Southampton

専攻:Fashion and Textile Design

職業:Luush代表&ジュエリーデザイナー

Luush公式Instagram:@Luush_official








──── ではまず、まずはBellaさんに、自己紹介からをお願いします!


「日本の皆さん、こんにちは! 私はLuushのブランド代表&ジュエリーデザイナー、鄭亦雯(ていえきぶん)と申します。漢字の発音が難しいですから、Bella(ベラ)と呼んでくださいね!(笑)」


──── Bellaさんがアートに出会ったきっかけについてお聞かせください!

「私の両親は、私が幼い頃からオープンマインドな性格で、アートと美しいもの新しいものに興味を抱く子供であることに気がついていました。例えば幼稚園の頃、算数の宿題で数字の1を「ギザギザ」と書くような変わったことを頻繁にしてしまい、そのせいで両親が学校の先生に呼び出されたこともありました(笑)。


それでも幸いなことに、私の芸術表現への興味を強く支持し、私を高校からイギリスへ留学させ、美術を学ばせてくれました。そのおかげで私は大学へ進学しファッションとテキスタイルデザインを学ぶことができました。そうしてファッションデザインを学ぶ中で、自分が作る服に合うアクセサリーがあればいいな! と思うことが多くありました。できればさまざまな服の種類に適したアクセサリーがある方がいいと思うようになりました。そこで放課後に教授から教えてもらいながら、アクセサリーデザインの勉強をするようになりました。


ファッションデザインの基礎があったからこそ、私はアクセサリーをデザインする際に、最初から洋服とどうやってうまく融合させるかということを様々な角度で考えております。


ですので、私が手掛けたLuushの作品は、一見すると外観はとても個性的に見えるかもしれませんが、実際に商品を購入された方からは「デザインはにユニークだけど実際に使ってみたら汎用性が高いですね!」とよく言われています。私にとってこのような評価をいただけることは、とてもとても嬉しいことです」



──── 留学で印象に残っていること、最も影響を受けたと思われることを教えてください


「印象に残っていることはふたつあります。ひとつは、2020年にLVMHの「Diversity & Inclusion」ファッションアワードを受賞したことです。もうひとつは、在学中の作品が、ヨーロッパ最大の歴史保存慈善団体であるナショナル・トラストが運営するロンドンの美術館「モッティスフォント」に収蔵されたことです。


また私にとって留学で得た最大のインパクトは、従来のデザインルールにとらわれないデザインマインドを身につけたことだと思います

──── LVMHの受賞作品やモッティスフォント美術館に収蔵された作品について、詳しくお聞かせください。テーマやクリエイティブな発想はどのように生まれたのでしょうか?

「LVMHで受賞したのは「淼(ミョウ)」という作品です。女性が少女時代から女性への道のりまで、それぞれの時期に彼女たちの心の中にあるものを着こなしや服のデザインという形で表現しています。

LVMHの「Diversity & Inclusion」ファッションアワード賞証


作品づくりにおいては、デザインと実用性のバランスを常に考えています。デザイナーが作品を派手にしたり、複雑にしたりするのは比較的簡単なことです。なぜならそれを見た人は、一見してそのグロテスクな形や誇張された色彩にショックを受けるからです。しかし、特定の場面を除いて、大げさな格好で外出することを選択する人はほとんどいないでしょう。だから、もっと実用性を考慮したデザインにしなければと思います。


また、受賞は嬉しかったのですが、その年はコロナのため、授賞式が開催できなかったのは、とても残念でした。


モッティフォント美術館で収蔵された作品は、実は私のプロジェクトだったんです。


当時は、自分の好きなフェアリーをテーマにした作品を作ることになりました。そして、私は「飛天敦煌(ひてんとんこう)」というテーマを選び、サステイナブルな視点を取り入れて創作してきました。


具体的には、生地に綿や麻などの天然素材を選び、廃棄されたコーヒーのカスや腐った赤ワインで絞り染めをしました。最終的にこの作品は、同館が展示・収蔵する作品として選定されました」

コーヒーカス絞り加工過程



──── これまでのBellaさんの職務経験や、担当したプロジェクトについてお聞かせください


「私はこれまで、ELLE、ブレゲ、カルティエなど、さまざまなメディアやラグジュアリー関連企業で仕事をしてきました。マーケティング、アーティストとクライアントのリレーション、ビジュアルデザイン、イベント企画などに携わってきました」

左:ブレゲ在籍時にキュレーションしたイベント展(ブレゲ・トラディション・ツアー)

右:ブレゲ・トラディション・ツアーの現場写真



──── お仕事をされてきた国際的なブランドについて、最も尊敬している点があれば、ぜひ教えてください。また、仕事上の経験で印象に残っていることがあればお聞かせください


「これらの国際的なブランドの多くは、100年以上の歴史があり、そのビジネスや経営モデルは非常に確立されていますね。私が最も尊敬しているのは、これらの国際的なジュエリー・時計ブランドのクラフツマンシップです。


例えば、カルティエのファインジュエリーの展示会に携わったことがあります。私たちスタッフは、展示会に先立ってジュエリーを用意していました。そのため、セキュリティが確保された状態で、これらの高級宝石を身近に見ることができたのです。見た瞬間に「こんなにも精巧に作られているのか!」と本当に感心してしまいましたね。


特に印象に残っているのは、ELLEで働いていたときです。映像クルーとの共同作業ということで、屋外での撮影が多かったですが、これがかなり大変でした。しかし多くの有名人の方々と一緒に仕事をし、学ぶことができたので、その間はとても楽しかったです


ELLE在籍時に制作した商品のビジュアルアートワーク



────これらの過去の経験は、ベンチャー企業を運営していくのに役立っていると感じますか?


老舗ブランドの経験から、ジュエリーをデザインする際、特に美観や使い心地、パッケージデザインなどの面で、消費者の体験をより意識することができたのだと思います。また、ブランドを立ち上げる上で、どの部分、どの部門が重要なのかを明確に理解するようになりました。例えば、ループを形成するために、異なるセグメントをどのようにつなげばよいかを学びました



──── Bellaさんは過去、仕事中にブランディング企画を実施した際「こうやればもっとうまくできるかも!」と思ったことはありますでしょうか?


「今のところ、そうは思ったことがありません。ブランドの良し悪しは、消費者が決めることだと思います。だから、自分自身のブランドでいい仕事ができるかどうかも見極めたいだけです。そして、ブランドを作る過程では、いろいろなことを考える必要があることに気づきました。私以前は、いろんなブランドの会社で特定のセグメントしか携わっていませんでした、しかし、ある分野が得意だけではブランド全体でいい仕事ができるわけではありません。 だから、まだまだ道半ばとしか言いようがないのです(笑)」


Luushブランドの誕生とBella先生のデザイン哲学については、インタビューの後篇に続きます。ご興味がある方はぜひチェックしてくださいませ!

 

LA PEONIERは、Bellaさんが手掛けたデザイナージュエリーブランド「Luush」の日本正規代理店となりました!シリーズ最初にリリースしたのは、植物をテーマとする「白蘭」「竹」「あずき」3つのラインナップです。Luushの商品にご興味がある方はぜひチェックしてください。今後は、日本の若手クリエイターたちと夢のコラボ企画があるかも? 最新情報はLAPEONIERにて公開していきますのでご期待くださいませ!


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